国指定文化財
根室車石

【解説】
「根室車石」は放射状節理の構造をしたアルカリ粗粒玄武岩で、球状の岩体をしており、その奇観と大きさは、世界でも類を見ないことから、国の天然記念物に指定されています。
海底に堆積した泥などの中にドレライトマグマが流入し、広い岩床を作りながら急速冷却を受ける過程で枕状溶岩が形成される枕状溶岩は、さらに冷却され、内部に放射状柱状節理が生じます。
これを輪切りにすると車輪状構造となることから「車石」と呼ばれています。
【指定区分】 天然記念物
【指定年月日】 昭和14年9月7日
【所在地】 根室市花咲港
落石岬のサカイツツジ自生地

【解説】
東アジアの北部に分布し、従来は南限が樺太北緯50度付近とされていましたが、昭和8年度北大の宮部・舘脇両博士によって落石岬の湿原にも自生することが発表され、不連続分布植物の一実例として貴重な存在となっています。
主として、アカエゾマツの林辺にあるミズゴケの塊の上に発生し、5月下旬から6月中旬に美しい紅紫色の花を付けます。
【指定区分】 天然記念物
【指定年月日】 昭和15年2月10日
【所在地】 根室市落石西
西月ヶ岡遺跡

【解説】
史跡西月ヶ岡遺跡は、標高20~30メートルの洪積台地上に位置し、東高西低の地形上に大小約350個(現在指定地内190個)の竪穴群が密集し、月面のクレーターを想わせる壮大な景観をなしています。
擦文式土器文化期の住居跡で、この遺跡のように良好な状態で保存されているところは国内でも稀であり、発掘調査によって本州と千島及び樺太との文化交流を示唆するものとして考古学上注目されてます。
【指定区分】 史跡
【指定年月日】 昭和51年8月28日
【所在地】 根室市西浜町6丁目9番地
根室半島チャシ跡群

【解説】
根室半島には一帯にわたり、チャシ跡が存在します。そのほとんどは海抜約5メートルから50メートルの海岸断崖上の台地の平坦部にあり、海岸台地上に半円形又は四角形の壕を巡らせています。
根室市内には30ヵ所のチャシ跡の存在が確認されていますが、保存状態が良好で、他地域と比較すると分布密度も濃いことで知られています。
また根室のチャシは「寛政アイヌの蜂起」との関連についても注目され、道内のチャシでは末期のものとされています。
現在24ヵ所が指定されています。
根室半島チャシ跡群は、平成18年に日本城郭協会から日本百名城の第1番として認定され、これを契機に国内外の観光客が関心を寄せており、現在、ヲンネモトチャシ跡とノツカマフチャシ跡の2か所について見学できるよう遊歩道等を整備しています。
【指定区分】 史跡
【指定年月日】 昭和58年4月26日
【所在地】 根室市納沙布岬ほか24ヶ所
明治公園第1・2・3サイロ

【解説】
第二サイロ(画像中央)は昭和7年、第一(画像右側)と第三サイロ(画像左側)は昭和11年に、それぞれ建てられたもので、イギリス積みと呼ばれる工法のレンガ積みサイロです。
赤レンガ積のサイロとしては国内最大規模で、屋根の形は時代を反映して鉄兜形であり、現存するレンガサイロとしては国内有数の古さを誇ります。
このサイロのある明治公園は、古くは明治8年に我が国2番目の国立牧畜場として開拓使根室牧畜場となったのが最初で、後に所有者となった有終会根室牧場時代に、これらのサイロが建てられました。それぞれのサイロに牛舎が直結していました。最終的に牧場は、明治乳業株式会社が所有し、昭和30年に廃止されています。
【指定区分】 登録有形文化財
【指定年月日】 平成13年8月28日
【所在地】 根室市牧の内
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更新日:2018年03月01日