ハナサキガニ
1.ハナサキガニの種苗生産試験
ハナサキガニ種苗生産の基礎技術は、ほぼ確立したところでありますが、しばしば発生する幼生の大量斃死によって、生残率は安定していないのが現状であります。これは飼育水の悪化や病原性細菌の発生が原因と考えられることから、安定した種苗生産技術を確立するために水質の浄化及び細菌の除去に優れた飼育方法の開発をすすめています。
ハナサキガニ ゾエア期
ハナサキガニ グロコトエ期
ハナサキガニの生態
卵→(孵化)→ゾエア1期→(脱皮)→ゾエア2期→(脱皮)→ゾエア3期→(脱皮)→グロコトエ期→(脱皮)→稚ガニ→(脱皮を繰り返して成長)→親ガニ→・・
2.ハナサキガニの中間育成試験
ハナサキガニの中間育成は、海中で垂下飼育する方法を実施してきましたが、生残率は低迷しているのが現状であります。これは健苗性や共食いによる減耗が原因と考えられることから、当研究所では生残率向上を目指した陸上水槽での中間育成技術の確立をすすめています。
稚ガニに変態直後のハナサキガニ
孵化から1年後のハナサキガニ
3.ハナサキガニの種苗放流試験
種苗生産試験で得られた種苗を中間育成と並行して、放流試験を実施しております。生産した種苗をハナサキガニの稚ガニの生育に適した場所に放流し、その生残から種苗の健苗性を確認しております。今後も資源増大に向けて種苗の放流技術開発をすすめていきます。
放流したハナサキガニ種苗
放流後発見されたハナサキガニの稚ガニ
4.ハナサキガニの養成試験
現在、ハナサキガニの種苗生産に必要な受精卵は、天然の親ガニに依存して います。しかし、近年漁獲される前浜産の親ガニの確保が難しい状況にあることから、良質な受精卵を安定的に確保するために親ガニ養成技術の確立 をすすめています。
ハナサキガニの成体
飼育中のハナサキガニ
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更新日:2021年06月08日