品質及び衛生管理に関する取り組みについて

根室市水産HACCP推進協議会

味覚観光都市「ねむろ」から、安全・安心な北の海の幸をお届けします

品質及び衛生管理に関する取り組みについて

 漁獲・市場・加工・流通の各段階における品質及び衛生管理に関する主要な取り組みを紹介します 

漁獲物の温度(鮮度)管理について

 各魚種、各工程において健康被害を引き起こす可能性のある危害の発生要因やその防止対策を検討し、少なくとも以下の温度管理を行うよう関係団体に対して協議会では指導していますが、各事業者においても漁獲物の定期的な温度測定を実施するなどして、衛生面・品質面での自主管理に取り組んでいます。
 また、市内の各漁協では、市場施設内に紫外線殺菌装置及び海水冷却装置の導入を進めており、サンマを中心とした殺菌済みの冷却海水を用いた漁獲物の鮮度保持の取り組みにも力を入れています。

サンマの鮮度保持の取り組みの様子

冷却・紫外線殺菌海水によるサンマの鮮度保持の取り組み

漁獲物の温度(鮮度)管理
作業工程 春鮭鱒 サンマ 秋サケ・タラ・
カレイ類
カニ・ウニ・貝類
漁獲
漁獲
保管
荷揚
10℃以下に速やかに冷却後、5℃未満で保管・荷揚すること 4℃以下に速 やかに冷却後、4℃以下で保管・荷揚すること 10℃以下に速やかに冷却後、10℃以下で保管・荷揚すること 活力良好な状態で出荷するため適切に取扱うこと
市場
陳列・せり・搬出・輸送
10℃以下で陳列・せり、搬出・輸送すること 4℃以下で陳列・せり、搬出・ 輸送すること 10℃以下で陳列・せり、搬出・輸送すること 活力良好であること

加工
加工品の製造作業中は、適切な方法により原料の温度上昇を防ぐと共に、迅速な製造作業を行うなどして、適切な温度管理を行うこと

流通
温度管理が必要な加工品については、適切な温度帯(生食用・サンマ・加工製品は4℃以下、加熱食用は10℃以下)で流通すること

市場施設内の衛生管理の充実・強化について

市場職員対象の衛生管理講習会の様子

市場職員対象の衛生管理講習会

 生産者が漁獲した水産物は市内の卸売市場に荷揚げされます。これらの漁獲物が市場施設に荷揚げされ、せり・搬出時までの期間、病原性微生物の増殖や汚染を予防するために様々な衛生管理を実施していく必要があります。
 市場施設においては、特に病原性細菌の二次汚染を防止する観点から、市場施設内での非衛生的な行為がないよう施設利用者に対して遵守させると共に、トイレなどの衛生施設の改善、廃棄物の適切な管理等の基本的な衛生管理事項を実践していくため、チェックリストを活用した衛生管理に取り組んでいます。
 また、市場職員を含めた全ての市場施設利用者も対象とした衛生教育を実施するため、定期的に衛生管理講習会を開催しています。

HACCP手法を取り入れた高度な衛生管理の実践について

塩タラコの製造作業の様子

HACCP認定施設における塩タラコの製造作業

 安全・安心な水産加工品を供給するためには、従来から実施されてきた、食品を製造する環境の整備や衛生確保に重点を置いた衛生管理に加え、原料の入荷から製造・出荷までのすべての工程において、あらかじめ危害を予測し、その危害を防止するための重要管理点(CCP)を特定して、そのポイントを継続的に監視・記録し、異常が認められたらすぐに対策を取り解決することで、不良製品の出荷を未然に防ぐシステム、HACCP手法を取り入れたより高度な衛生管理に取り組んでいくことが必要です。
 根室市においても、HACCP方式による衛生管理に取り組み、公的機関による認定を受けている先進的な水産加工場もありますが(下表参照)、食品衛生法に基づく基本的な衛生管理を確実に実践しながら、さらに一歩進んだ高度な衛生管理に事業者自らが積極的に取り組んでいくため、協議会では積極的な啓発・指導事業や情報提供をこれからも行っていきます。

公的認証取得 水産加工品及び水産加工業者一覧

春鮭鱒

春鮭鱒
製品名 企業名 認定の名称(認定機関・年月日)
紅鮭フレーク 株式会社小林商店 ・水産食品加工施設HACCP認定施設
(社団法人大日本水産会・平成12年5月8日〜)
鮭フィレー 株式会社ぎょれん道東食品 ・水産食品加工施設HACCP認定施設
(社団法人大日本水産会・平成16年3月29日〜)
漬け魚製品 株式会社ぎょれん道東食品 ・水産食品加工施設HACCP認定施設
(社団法人大日本水産会・平成16年3月29日〜)
切身製品 カネ共三友冷蔵株式会社 ・北海道 HACCP自主衛生管理認証制度
(北海道・平成23年6月30日〜)

秋サケ

秋サケ
製品名 企業名 認定の名称(認定機関・年月日)
いくら醤油漬け 株式会社小林商店 ・水産食品加工施設HACCP認定施設
(社団法人大日本水産会・平成13年4月26日〜)
鮭フレーク 株式会社カネヒロ ・対米輸出水産食品取扱認定施設
(厚生労働省・平成131年6月27日〜)
冷凍鮭フレーク 永宝冷蔵株式会社 ・水産食品加工施設HACCP認定施設
(社団法人大日本水産会・平成13年12月21日〜)
切身製品 カネ共三友冷蔵株式会社 ・北海道 HACCP自主衛生管理認証制度
(北海道・平成23年6月30日〜)
鮭フィレー 株式会社ぎょれん道東食品 ・水産食品加工施設HACCP認定施設
(社団法人大日本水産会・平成16年3月29日〜)
鮭フレーク 株式会社北嶺 ・北海道 HACCP自主衛生管理認証制度
(北海道・平成27年3月16日〜)
塩いくら 株式会社山十前川商店 ・北海道 HACCP自主衛生管理認証制度
(北海道・平成19年12月25日〜)
・北海道 道産食品独自認証
(北海道・平成18年11月10日〜)
味付けいくら 株式会社山十前川商店 ・北海道 HACCP自主衛生管理認証制度
(北海道・平成19年12月25日〜)
本醸造 醤油いくら 株式会社山十前川商店 ・北海道 HACCP自主衛生管理認証制度
(北海道・平成19年12月25日〜)
・北海道 道産食品独自認証
(北海道・平成20年11月17日〜)

タラ

タラ
製品名 企業名 認定の名称(認定機関・年月日)
塩たらこ 株式会社小林商店 ・水産食品加工施設HACCP認定施設
(社団法人大日本水産会・平成14年8月19日〜)
漬け魚製品 株式会社ぎょれん道東食品 ・水産食品加工施設HACCP認定施設
(社団法人大日本水産会・平成16年3月29日〜)
真タラスリミ 株式会社カネコメ高岡商店 ・北海道 HACCP自主衛生管理認証制度
(北海道・平成21年2月10日〜)
真タラフィレー 株式会社カネコメ高岡商店 ・北海道 HACCP自主衛生管理認証制度
(北海道・平成21年2月10日〜)
切身製品 カネ共三友冷蔵株式会社 ・北海道 HACCP自主衛生管理認証制度
(北海道・平成23年6月30日〜)

その他

その他
製品名 企業名 認定の名称(認定機関・年月日)
漬け魚製品
(カラスガレイ・赤魚)
株式会社ぎょれん道東食品 ・水産食品加工施設HACCP認定施設
(社団法人大日本水産会・平成16年3月29日〜)

対EU輸出食品登録事業者(生産漁船)一覧(平成27年10月22日現在)

対EU輸出食品登録事業者
登録番号 漁船名 登録番号 漁船名
HK2-15661 第38開運丸 HK2-21385 第二十八豊漁丸
HK2-16182 第28暁漁丸 HK2-21397 第二十五共宝丸
HK2-16362 第3藤丸 HK2-21398 第十八ひさご丸
HK2-16748 第2珠生丸 HK2-21399 第三十一協和丸
HK2-18418 第27金与丸 HK2-21426 第十八弘栄丸
HK2-19665 第15征漁丸 HK2-21436 第五協盛丸
HK2-19666 第18宝盛丸 HK2-21983 第三十八桂洋丸
HK2-20098 第一双沖丸 HK2-22106 第五十八三協丸
HK2-20158 第三ともしり丸 HK2-22143 第28開運丸
HK2-20208 第八孝秀丸 HK2-22155 第八協盛丸
HK2-20219 第88大盛丸 HK2-22205 第六十七漁定丸
HK2-20244 第二十八銀洋丸 HK2-23154 第八太協丸
HK2-20868 第三十三共栄丸 HK2-23175 第三十八東栄丸
HK2-21350 第63灯漁丸 HK2-23231 第二十八共栄丸

参考資料:EU輸出向けサケの陸揚げに係る作業マニュアル(水産庁HPより抜粋)

1.陸揚げ
  1. 陸揚げ場所は、バリケードを設置するなど、車両の進入を防止する。また、ゴミの散乱を防止するなど陸揚げ場所を清潔な状態に保つ。
  2. 作業は、可能な限り動物や害虫が汚染の原因にならない場所で行う。
  3. あらかじめ、陸揚げ場所に洗浄した選別台を設置する。
  4. 作業に従事する者は、清潔な作業着、ゴム手袋等を着用する。
  5. 操業船のクレーンにより、魚体に傷がつかないようにサケを選別台へ落とし込む。
  6. 陸揚げ状況を確認し、場合により必要な措置を講ずるとともに、記録を保管する。
2.選別
  1. 選別作業に使用する器具でサケに接触するものは、耐腐食性で洗浄及び消毒が容易な材質を用いるとともに、補修等の維持管理を適切に行い、清潔な状態に保つ。また、これらの器具が作業前に十分に洗浄されていることを確認する。
  2. 作業は、可能な限り動物や害虫が汚染の原因にならない場所で行う。 
  3. 作業に従事する者は、清潔な作業着、ゴム手袋等を着用する。
  4. 選別台で、速やかに手作業によりサケを選別する。
  5. 選別時は、病変、変死等がないことを目視確認し、食用に適さないものは除去する。
  6. 選別されたサケは、それぞれ専用容器に入れる。
  7. 選別作業に使用する器具でサケに接触するものは、飲用適の水道水等で洗浄し、適切な保管が可能な場所に保管する。
3.計量
  1. 計量作業に使用する器具でサケに接触するものは、耐腐食性で洗浄及び消毒が容易な材質を用いるとともに、補修等の維持管理を適切に行い、清潔な状態に保つ。また、これらの器具が作業前に十分に洗浄されていることを確認する。
  2. 作業は、可能な限り動物や害虫が汚染の原因にならない場所で行う。
  3. 作業に従事する者は、清潔な作業着、ゴム手袋等を着用する。
  4. 選別したサケは、速やかに専用容器毎に計量する。
  5. 計量作業に使用する器具でサケに接触するものは、飲用適の水道水等で洗浄し、適切な保管が可能な場所に保管する。
  6. 計量状況を確認し、場合により必要な措置を講ずるとともに、記録を保管する。
4.積替え
  1. 積替作業時は、搬送トラックのエンジンを切る。
  2. 計量後、フォークリフトで専用容器に入れたサケを搬送トラックの近くへ移動する。
  3. 積替作業に使用する器具でサケに接触するものは、耐腐食性で洗浄及び消毒が容易な材質を用いるとともに、補修等の維持管理を適切に行い、清潔な状態に保つ。また、これらの器具が作業前に十分に洗浄されていることを確認する。
  4. 搬送トラックの荷台に鮮度保持タンクを積み込む。なお、タンク内に必要に応じ飲用適の水又は清浄水で製造した氷を入れるなどサケの温度管理を図る。
  5. 作業は、可能な限り動物や害虫が汚染の原因にならない場所で行う。
  6. 作業に従事する者は、清潔な作業着、ゴム手袋等を着用する。
  7. フォークリフトで計量後のサケを鮮度保持タンクへ積み替える。
  8. 積替作業は速やかに行い、積替え終了後、速やかに鮮度保持タンクの蓋をする。
  9. 積替作業に使用する器具でサケに接触するものは、飲用適の水道水等で洗浄し、適切な保管が可能な場所に保管する。
  10. 積替状況を確認し、場合により必要な措置を講ずるとともに、記録を保管する。
5.搬送
  1. 認定加工場への搬送は、サケに著しい衝撃を与えない運転に配慮する。
  2. 搬送状況を確認し、場合により必要な措置を講ずるとともに、記録を保管する。
この記事に関するお問い合わせ先

根室市水産加工振興センター

〒087-0032
北海道根室市花咲港374番地

電話番号:0153-25-3313 ファックス:0153-25-3313

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更新日:2018年03月01日