根室のおさかな
さんま(秋刀魚)
「さんま日本一!といえば根室」
根室市は、全国の中でも数多くのさんまが水揚げされるまちであり、令和4年現在、数量で13年連続、金額で25年連続日本一を記録しており、「さんま」といえば根室のイメージが定着しています。
秋には「さんま」を冠とした「根室さんま祭り」も開催されるほどの特産品です。
さんま漁
- 漁期は8月中旬から12月上旬まで。
- 主に、さんま棒受け網漁で操業されます。
- さんまの光に集まる習性を利用して、夜間に集魚灯で魚群を集め漁獲します。
- 根室のさんま漁は船上沖詰技術の普及により、鮮度がよく、刺身で食べられるほど、鮮度は抜群です。
風味
成魚となり、産卵を始めるために南下した直後に漁獲する事から、他の地域に比べ卵に栄養がとられていないため、魚体が大きく身に脂(旨味)が乗っています。
さんまの生態
- 北太平洋に広く生息する回遊魚。
- 産卵期は周年。 夏季は黒潮水域を北上し、親潮水域に入ってオホーツク海で回遊後、産卵のため九州沖まで南下する。
- 寿命は2年と短いです。
- 体長は2年で35センチメートル程度。
- 増養殖は難しいため、市場に出回るものは全て天然物。
食べ方
- 獲れたての物は、やっぱりお刺身で素材そのものの味を堪能してください。
- 家庭のグリルで焼いても十分美味しいですが、炭火で焼くと身が柔らかく炭の香がさんまの味を一層引き立てます。
その他
- さんまには、血液の流れを良くするといわれるエイコサペンタエン酸(EPA)が含まれており、脳梗塞・心筋梗塞などの病気を予防する効果があるとされています。
- また、ドコサヘキサエン酸(DHA)も豊富に含まれており、体内の悪玉コレステロール (LDL) を減らす作用、脳細胞を活発化させ、頭の回転を良くする効果があると言われています。
いわし(鰯)

いわしが漁獲されている北海道東部沖合海域は、千島列島に沿って南下する「親潮」(寒流)と日本列島の南側を北上して流れる「黒潮」(暖流)がぶつかりあう世界でも有数の優良な漁場となっています。
根室・花咲港で水揚げされるいわしは、餌を探しながら三陸沖からの「黒潮」に乗って北上し、栄養塩を多く含んだ道東沖に来遊することから、脂がのり、身の締まったいわしが漁獲されます。
いわし漁
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漁期は、5月上旬から10月中旬まで。
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主に、棒受け網漁という漁法で漁獲されます。
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漁獲したいわしを保管する魚艙に大量の氷と海水を入れ、魚艙内を5℃以下に保ち、漁獲後のいわしを活き締め状態にすることで鮮度を保持しています。
風味
栄養塩を多く含んだ道東沖で漁獲される事から、DHAやEPAなどの栄養素が多く含まれています。また、「皮の下には雪のように白い脂がたっぷり」と言われるほど脂ののりが特徴です。
生態
- 通常は、水深20m~70mの上、中層を回遊しています。
- 産卵期は、2月から5月頃まで。産卵は夕方から深夜、水深数十メートルの海中で行われ、4万〜12万粒という多数の卵を産みます。
- 寿命は、平均的に3〜4年と言われていますが、例外的に7年〜8年と長生きする場合もあります。
食べ方
- 鮮度が抜群なので、獲れたてのいわしは、お刺身やお寿司でそのものの味を堪能するのが一番です。
- 焼物、揚げ物など、どれでもおいしくいただける万能な魚です。
その他
- 青魚特有のDHAやEPAなどがいわしには特に多く含まれており、成人病の予防や高脂血症、血栓症などの循環器系疾患の予防にも効果があると言われています。
- 新鮮ないわしの選び方は、目が黒く、顔の周りの充血がないことに加えて、魚体の色つやが良く、張りがあるものが良いと言われています。
はなさきがに(花咲蟹)
花咲ガニは、ベーリング海からオホーツク海沿岸、サハリン、千島列島で、北海道周辺では納沙布岬から襟裳岬付近の太平洋側に分布するため、漁獲の中心は「納沙布岬から落石地先海域」であることから、ほとんどのものが「根室市内の港(根室港は除く)」で水揚げされます。
花咲ガニの名前は、根室の地名「花咲」に由来する説が有力ですが、茹でたときに赤くなって花が咲いたように見えることからとする説もあります。
花咲ガニ漁
5月~9月までで、籠漁で行われます。
風味
他のカニと比べ、弾力のあるプリッとした食感と、濃厚な味が特徴です。
花咲ガニの生態
- 分布域は、近縁のタラバガニ、アブラガニと比べると狭く、分布する水深も200メートル程度までと浅いです。
- 産卵期は6月~7月まで。
- 約6年で成熟します。
食べ方
- オーソドックスに茹でて食べましょう。
殻が固くとげも多いため、食べるにはキッチンバサミ等が必要です。 - お出汁をとるだけに使う・・・贅沢に「てっぽう汁」で食べましょう。
「てっぽう汁」・・・カニの殻から出汁を取った味噌汁
その他
- 花咲ガニはビタミンBやカルシウム、タウリンや亜鉛などを豊富に含んでいて、強い抗酸化作用(アンチエイジング)の効果があります。カニの甲羅を赤くする色素「アスタキサンチン」に、ビタミンEの何百倍もの抗酸化作用があると言われています。
さけ(鮭)
鮭は、秋になると産卵のために川に上ってきます。(秋鮭)
大昔は、冬を越すための貴重な食料でした。今では、日本人が最も食べる機会が多い魚となっていますが、根室でも「鮭」が漁獲されます。
根室では、主に白鮭と紅鮭が水揚げされ、白鮭は春と秋に漁があり「春鮭=トキシラズ」「秋鮭=アキアジ」と呼んでいます。
紅鮭は、成熟するにつれ頭部を除く全身が紅く染まる事から紅鮭と呼ばれるそうです。
鮭漁
- 白鮭
1.春鮭漁 5月~7月までで、流し網漁と定置網漁で漁獲されます。
2.秋鮭漁 9月~11月までで、定置網漁とはえ縄漁で漁獲されます。
風味
根室で漁獲される春鮭も秋鮭もどちらも同じ「白鮭」ですが、獲れる時期の違いでそれぞれ特徴があります。
- 春鮭(トキシラズ)は、もともと産卵期より早く川に戻ってきてしまった鮭の事を指し、産卵期を間違った事、時期を知らない事から「時知らず」と名付けられました。
お腹の卵に栄養を取られず、全ての栄養を自身に蓄えているため、身に脂が乗っていて非常においしいです。 - 秋鮭は、産卵期のためお腹に卵を抱えていて、この卵に栄養を分け与えていることから、自身の栄養分は少ないため、トキシラズに比べると脂の乗りは劣ります。
しかし、この卵がとても美味しい「いくら」ですので、トキシラズとは違った楽しみがあります。
鮭の生態
- 鮭は、夏から秋にはオホーツク海を生活域とし、主に動物性プランクトンを食べています。
- 水温が低くなると、北西太平洋に移動し冬を越します。
- 3〜5年の海洋生活で成熟すると、生まれ育った川に戻ってきます。
なお、紅鮭は淡水を好むため、生涯を川で過ごすものも稀にいるそうです。 - 日本での遡上は、高緯度地域ほど早く8月から12月で、主に北海道・東北地方の川で産卵します。
食べ方
- 春鮭は、脂が乗っているので焼き物や煮物に向いています。
- 秋鮭は、脂やけしにくいので漬け物など保存加工食に向いています。
たこ(蛸)
たこ漁
- 根室で水揚げされるタコは、ヤナギダコとミズダコになります。
- 産卵期は6〜7月ですが、通年で漁獲されます。
- たこ籠、たこ空釣縄で漁獲します。
風味
- ミズダコは、マダコに比べて皮膚や肉質が柔らかく水っぽいため、味が落ちると言われますが、吸盤が大きいため食感が良く、ミズダコを好んで食べる方も多いです。
- ヤナギダコは、身が締まっているが柔らかく、歯切れが良く、甘い味わいが特徴です。
また、卵が大きく、卵巣はタコマンマと呼ばれ、醤油漬けなどで食べられています。
たこの生態
- 海水温の低い海域を好み、主に北太平洋が主な生息場所になります。
- 頭が良く、瓶の蓋をあける事ができます。
- 害敵から身を守るために、自らの腕を切り捨てる事もあります。
切り捨てた腕は再生しますが、その際、まれに2本生えてくる事もあり、最大で96本足のたこが確認されています。 - 基本的には海底を這って移動するそうです。泳げるんですけどね。
食べ方
- 刺身、たこしゃぶ、酢味噌和え、から揚げ、頭から足先まで、全て食べられます。
こんぶ(昆布)
根室で収穫される昆布は、主になが昆布、あつば昆布、猫足昆布となります。
主に加工品として利用され、おでん、昆布巻き、つくだ煮等に製品化されます。
こんぶ漁
- 漁期は6〜10月になります。
- 収穫の方法は、小舟からこんぶの根元に竿を差し入れ、船までたぐりよせて抜き取る方法やねじり取る方法があります。
- 収穫したこんぶを、干場に運び並べて天日で干します。 根室は地域の気候として霧の発生が多いため、乾燥機を使う事もあります。
風味
- 昆布の旨味成分である「マンニット(表面に付着する白い粉)」が豊富で、奥深い味わいが特徴です。
こんぶの生態
- 海水温の低い海域を好み、主に親潮海域に群生しますので、生産地のほとんどが北海道となります。
- 昆布は、胞子を飛ばし、それが岩などに着生して発芽します。
食べ方
- 身が柔らかいので、昆布巻きなどにして食べます。
- 切り刻んで、他の魚介類と和えた海鮮サラダにしても美味しいです。
ホッキ貝(北寄貝)

標準和名はウバガイ(姥貝)ですが、一般的にホッキ貝の名で親しまれています。
北海道・東北など、主に北方で獲れる「北に寄った貝」から「北寄(ほっき)」と名付けたとの説があります。
ほっき漁
- 漁期は4〜5月と9〜11月で、海底の砂に潜る習性があるため手掘り、噴流式桁網で漁獲します。
風味
- 磯の香とまろやかな甘みがあり、プリっとした歯触りの良い食感があります。
- 熱を通すとさらに甘味が増します。
ほっきの生態
- 10センチメートルほどに成長する大型の二枚貝で、丸みのある三角形です。
- 海水温の低い海域を好み、日本では北海道周辺から関東あたりまで生息しています。
- 水深10メートルほどの海底の砂の中に身を潜め、水管を延ばして水を吸い、そこに含まれるプランクトンを食べます。
- 産卵期は5〜8月です。
食べ方
- お寿司や、お刺身で生食しても美味しいです。
- そのままバターで焼いても美味しいですが、ホッキ飯、カレーの具としても利用します。
- 火を通すと身がしまるので、短時間で調理するのがコツです。
- この記事に関するお問い合わせ先
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水産経済部水産振興課
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更新日:2023年06月03日