2021(令和3)年10月9日 根室国後間海底電信線陸揚施設 発掘調査
【初の発掘調査で貴重な発見】
戦前まで、北方領土国後島と根室市をつないでいた通信用海底ケーブルの陸揚施設、通称「陸揚庫」周辺で、初の発掘調査を行い、陸揚庫から地中に伸びるケーブルの状態を確認しました。
陸揚庫は明治時代、国後島ケラムイ崎から根室村ハッタラまで敷設されていた通信用電信線の起点として旧逓信省により設営されたとされており、国の登録有形文化財に登録されることが決まっています。市では現在、専門家とともに施設の保存や活用方法などについて、調査研究を進めています。
発掘調査は、7月に設置した「北方領土問題に関する専門家会議」の委員でもある北海道博物館の右代啓視 学芸員の指導のもとボランティアなど約30名で実施。作業開始から1時間ほどで、施設周辺の深さ約50センチの地中からケーブルが姿を現すと、「あった!あった!」と歓声が上がる一幕も。施設と海の間にある擁壁からは、開口部と直径5.5センチの切断されたケーブルが初めて確認されたほか、陸揚庫の屋根や庇部分を長年覆っていた雑草を除去する作業も、施設を壊さないよう丁寧に手作業で行われました。
作業を指導いただいた右代学芸員は「北方領土とつながる象徴的な建物。交流事業などでの活用が期待される」と話しています。



- この記事に関するお問い合わせ先
更新日:2022年01月06日