個人市民税の課税の特例
退職所得の課税の特例
退職者に支払われる退職手当等に対する市・道民税については、他の所得と区分して所得割が課税されます(分離課税)。所得割は退職手当等が支払われる際に支払者が税額を計算し、支払金額からその税額を徴収して根室市に納入すること(特別徴収)とされています。
課税する市町村
退職手当等の支払を受ける日の属する年の1月1日現在における退職者の住所所在地の市町村になります。
課税されない人
(ア)退職手当等の支払われる年の1月1日現在、生活保護法による生活扶助を受けている人
(イ)退職手当等の支払われる年の1月1日現在、国内に住所を有しない人
(ウ)退職手当等の収入金額が退職所得控除額より少ない人
(エ)死亡により退職手当等が支払われた人(相続税の対象となります)
所得割額の算出方法
市民税分と道民税分をそれぞれ計算し、その合計額が所得割額となります。
市民税所得割額={(退職金等の収入額)-(退職所得控除額)}×2分の1(1,000円未満切捨)×6%(100円未満切捨)
道民税所得割額={(退職金等の収入額)-(退職所得控除額)}×2分の1(1,000円未満切捨)×4%(100円未満切捨)
退職所得控除額の計算方法は次の表のとおりとなります。
勤続年数(1年未満は切上げ) | 退職所得控除額 |
20年以下の場合 | 40万円×勤続年数(最低80万円) |
20年を超える場合 | 800万円+70万円×(勤続年数-20万円) |
※障害者になったことが原因で退職した場合には100万円が加算されます。
勤続年数5年以内の法人役員等の算出方法の改正
平成25年1月1日以降に適用となる退職所得から、勤続年数が5年以内の法人役員等※については、2分の1を乗じる措置が廃止されました。したがって、退職所得の金額は、収入金額から退職所得控除額を差し引いた金額(1,000円未満切捨)となります。
※法人役員等とは、次に掲げる者をいいます。
・法人税法第2条第15号に規定する役員
・国会議員及び地方公共団体の議会の議員
・国家公務員及び地方公務員
土地・建物の譲渡所得にかかる課税の特例
個人が土地や建物を売ったときは、売った土地や建物の所有期間によって課税のしくみが異なります。土地や建物の所有期間が、譲渡した年の1月1日に5年を超えるものを長期譲渡、5年以下のものを短期譲渡といい、それぞれの算式により税額を計算します。
収入金額-取得費・譲渡費用-特別控除額(下記の表)=課税譲渡所得金額
譲渡の理由 | 特別控除額 |
収用事業のために、土地や建物などを譲渡した場合 | 5,000万円 |
自分が住んでいる家屋やその敷地を譲渡した場合 | 3.000万円 |
独立行政法人都市再生機構などが行う特定土区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合 | 2,000万円 |
特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合 | 1,500万円 |
農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合 | 800万円 |
長期譲渡所得
課税長期譲渡所得金額×税率(下記の表)=税額
区分 | 税率 |
土地・建物などの一般の譲渡 | 5%(市民税3%・道民税2%) |
土地などを優良住宅地の造成等のための譲渡 | 譲渡所得が2000万円以下の部分 4%(市民税2.4%・道民税1.6%) |
譲渡所得が2000万円を超える部分 5%(市民税3%・道民税2%) |
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所有期間が10年を超える居住用の建物やその敷地などの譲渡 | 譲渡所得が6000万円以下の部分 4%(市民税2.4%・道民税1.6% |
譲渡所得が6000万円を超える部分 5%(市民税3%・道民税2%) |
短期譲渡所得
課税短期譲渡所得金額×税率(下記の表)=税額
区分 | 税率 |
土地や建物などの一般の譲渡 | 9%(市民税5.4%・道民税3.6%) |
土地などを国や地方自治体への譲渡 | 5%(市民税3%・道民税2%) |
上場株式等の譲渡所得にかかる課税の特例
課税譲渡所得金額×税率5%(市民税3%、県民税2%)=税額
源泉徴収を選択した特定口座内の上場株式等(平成28年1月1日以降に支払いを受けるべき特定公社債等も含む)は、通常は証券会社等が、売買益の支払いの際に道民税株式等譲渡所得割を徴収し、道に申告納入することとなっているので、申告は不要です(道に納められた道民税株式等譲渡所得割のうち、市町村分は所定の交付基準に基づき、道内の市町村に交付されます)。
申告をした場合には、翌年度に所得割で「分離課税」(税率は同じ)され、道に納めた金額は所得割から控除します。所得割から控除しきれなかった金額は、均等割に充当します。均等割に充当しきれなかった金額は還付となります。
一般株式等の譲渡所得にかかる課税の特例
課税譲渡所得金額×税率5%(市民税3%、道民税2%)=税率
なお、上場株式等にかかる譲渡所得等と一般株式等にかかる譲渡所得等との損益通算はできません。また、上場株式等にかかる譲渡損失を翌年以降の一般株式等にかかる譲渡所得等から繰越控除をすることもできません。
上場株式等の配当所得等にかかる課税の特例
上場株式等にかかる配当所得について申告する場合は、「総合課税」のほかに「申告分離課税」のいずれかを選択することができます。ただし、「申告分離課税」を選択した場合には、配当控除は適用されませんのでご注意ください。また、上場株式等の配当所得等(平成28年1月1日以降に支払いを受けるべき特定公社債等の利子所得も含む)について、上場株式等にかかる譲渡損失の金額がある場合には「申告分離課税」で損益通算をすることができます。
上場株式等の配当所得等・特定株式等譲渡所得の課税方式の選択
令和4年度税制改正により、上場株式等の特定配当等・特定株式等譲渡所得(特定配当及び源泉徴収口座で管理しているものが対象)については、令和6年度課税分の市・道民税から所得税と異なる課税方式の選択ができなくなりました。
先物取引にかかる雑所得の特例
先物取引による所得で、一定のものについては、5%(市民税3%、道民税2%)の税率により課税されます。
課税雑所得等の金額×税率5%(市民税3%、道民税2%)=税額
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更新日:2024年04月22日