北海道指定有形文化財 初田牛20遺跡の土偶及び墓坑出土遺物
1988(昭和63)年に根室市初田牛20遺跡で遺跡分布調査の際、牧草地で土偶の破片が見つかったことから学術発掘調査が実施され、墓坑2基の集石遺構1か所が検出されました。

●土偶
土偶は、縄文時代後期後半(約3000~3500年前)ころもので、全長18.2cmあり、全体を赤色顔料(ベンガラ)で塗っています。
首をすくめ、左右の手を少し両側にそらしたかのようなポーズをとり、衣服と思われる表現は刻線と縄文で、手足の指は刻線で表されています。
土偶は一般的に女性を表していますが、この土偶は性別を特定できる要素がみられません。
墓域における土偶を伴う祭祀事例は道央や道南でみられますが、こうした祭祀が道東地方まで広がっていたことを示す貴重な資料です。

●墓坑出土遺物
墓からは副葬品として、漆塗櫛、土製耳飾、滑石製垂飾、滑石製玉類、槍先形石器、錐形石器、磨製石斧、石鏃、黒曜石棒状原石、加工痕ある剥片が出土しています。
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更新日:2018年03月01日