令和8年度 保健だより8月号「アップデートしませんか?お酒の新・常識」

 これまで「お酒は適量なら健康に良い」「酒は百薬の長」と言われてきましたが、実は最近、その常識が大きく変わりつつあるのをご存知ですか? 今回は、世界で広がりつつあるお酒との新しい向き合い方についてご紹介します。

1. 「安全な飲酒量はない」って本当?

 長年、少量のアルコールは心疾患の予防になるなどの説もありましたが、世界的に権威のある医学雑誌『ランセット』に掲載された195の国と地域を対象にした調査では、心疾患などの予防効果を含めて総合的に評価した結果、「健康への悪影響を最小限にするための飲酒量はゼロ(=まったく飲まないこと)」という結論が導き出されました。これを受けて、WHO(世界保健機関)も「健康に悪影響を与えない安全な量などは存在しない」と公式に見解を伝えています。

2. 世界で流行中!「ソバーキュリアス」という選択

 この流れを受けて、海外を中心に「ソバーキュリアス(Sober Curious)」という生き方がトレンドになっています。 これは、英語の「しらふ(Sober)」と「好奇心(Curious)」を組み合わせた造語で、我慢して断酒するのではなく、健康や翌日のパフォーマンスを重視する前向きな選択として世界中で広まっています。 
 お酒を飲める・飲めないに関わらず、「健康やメンタルのために、あえてお酒を飲まない」という前向きなライフスタイルのことです。

3.飲まないことのメリット

・肝機能の改善: 肝臓がアルコールの解毒から解放されるため、数週間で脂肪肝などの状態が改善し始め、血液検査の数値にも良い影響が出ます。 
・血圧の安定: お酒をやめることで血圧が下がりやすくなり、心血管系疾患のリスクを低減できます。 
・睡眠の質が劇的に上がる:朝までぐっすり眠れ、翌朝の目覚めがスッキリします。
頭がクリアになる:日中の集中力やパフォーマンスが向上します。
時間と余裕ができる:晩酌や二日酔いで潰れていた時間を、趣味や自己投資に回せます。
ダイエット効果:アルコールとおつまみのカロリーがなくなるだけでなく、食欲増進作用による食べ過ぎも防ぐ ため、自然と痩せやすくなります。
美肌効果:アルコール分解に消費されていたビタミン類が肌に行き渡るようになり、肌のターンオーバーが整うことで肌荒れやくすみの改善が期待できます。

4. 「飲まない夜」を作るために今日から始めよう

 いきなり「禁酒」と構える必要はありません。まずは週に数回、お酒を別のものに置き換えることから始めてみませんか?
まずは「自分の飲む量」をグラムで把握する: 缶やボトルの裏面に「純アルコール量:〇g」と記載されている製品が増えています。まずは自分が1日に何グラム飲んでいるか、現実を知ることからスタートです。 
イベントの日以外は「飲まない習慣」に:なんとなく毎日飲む「習慣飲酒」を、週末だけ、あるいはイベントの日だけという「機会飲酒」に変えるだけで、生涯の疾患リスクを大幅に下げることができます。 
進化したノンアルコール飲料を活用:最近のノンアルコールビールやノンアルコールチューハイは、味が格段に美味しくなっています。炭酸水にレモンやライムを搾るだけでも、爽快感が得られます。1杯目は本物のお酒、2杯目以降はノンアルコール飲料にするなど、トータルのアルコール摂取量を減らす工夫をしてみましょう。 
温かい飲み物でリラックス :ハーブティーやホットミルク、白湯などをゆっくり飲むことで、お酒に頼らなくても副交感神経が優位になり、リラックスできます。

 「お酒を飲まないこと=我慢」ではなく、心と体の調子を整える「ポジティブな選択」です。まずは「今日はお酒をお休みしてみようかな」という軽い気持ちで、新しい心地よさを体験してみませんか?

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更新日:2026年08月01日