湖畔と河畔に残された森

ミズナラの巨木

湖畔に残されたミズナラの大木

樹上より針葉樹の河畔林を見る

樹上から見た河畔の森

根室では温根沼、風蓮湖、別当賀川などの湖畔や河畔にまとまった森が残されています。残念ながら、根室の森は一度伐採した後、再び森林が形成された二次林や木材を得るために植えられた人工林が多いです。しかし、木の伐りにくかった沢沿いなどにはミズナラやエゾマツの大木があったり、少ないですが人の手が入っていない森も残されています。そんな根室の森の中はヒグマやフクロウ、モモンガなど多くの生き物たちを育んでいます。

樹洞で休むエゾフクロウ

大木の樹洞をねぐらにするエゾフクロウ

モモンガ

冬は日中活動することもあるモモンガ

平地でみられるアカエゾマツの森

アカエゾマツ林の前でたたずむエゾシカの群れ

アカエゾマツの森の前にたたずむエゾシカの群れ

根室で一番好きな森はどこ?と聞かれたら、僕は落石や温根沼のアカエゾマツの森と答えます。

アカエゾマツは国内では青森の早池峰山を除き、北海道にしか分布していないマツです。トドマツやエゾマツに比べ、アカエゾマツは山岳に多く、岩礫地や湿地、湖岸の過湿地など厳しい環境に優占します。”霧がは育む根室の自然”でも触れましたが、霧が入り夏の気温が上がらない根室は高い山と同じ気候になるため、高層湿原の周りや温根別川の河畔などにアカエゾマツを中心とした森林があり、春国岱と落石岬ではアカエゾマツの純林をみることができます。

アカエゾマツの森の中には

アカエゾマツ林の林床

ゴゼンタチバナやコケモモが繁茂するアカエゾマツの森の林床

アカエゾマツの森の林床はミズゴケ、スギゴケなどに覆われ、その上にゴゼンタチバナやコケモモが繁茂する、とても美しい緑の世界です。アカエゾマツの枝にはサルオガセなどの地衣類が着生し、不思議な雰囲気を醸し出します。そんな森の中では本来は亜高山などの高い山でみられるようなルリビタキ、コマドリ、ウソといった小鳥たちが囀り、その声を聴きながら、森の中を歩くと本当に気持ちがいいです。おすすめは落石岬です。木道が整備されていて、アカエゾマツの森の雰囲気を楽しむことができます。

ルリビタキ

ルリビタキ

ウソ

ウソ

アカエゾマツの森の林床に咲くコケモモの花

アカエゾマツの森の林床に咲くコケモモの花

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更新日:2018年03月01日