臨床検査科について

 臨床検査科の業務は、血液、尿、便、臓器など患者様から採取された材料から様々な検査を行なう『検体検査』と、直接患者様に心電図、超音波検査などを行なう『生理機能検査』に分かれています。
 検査から得られた結果は、患者様の体の状態を反映するため、医師が病気の診断や治療方針、治療の経過確認や重症度判定などに利用されています。
 これらの検査結果は医師が患者様を診断する上で重要なデータとなるため、『臨床検査技師』という国家資格を持った専門のスタッフが担っています。
 当院では現在、9名のスタッフが 生化学検査免疫血清検査血液・凝固検査輸血検査一般検査微生物検査遺伝子検査などの検体検査と 心電図呼吸機能聴力検査超音波検査などの生理検査を行い、正確かつ迅速に検査し、結果を速やかに医師に伝えるよう日々努力しています。
 夜間・休日においても患者様が安心して受診していただけるよう技師が当番制で在宅当直を行い、オンコール体制で365日24時間緊急検査に対応しています。


☆検体検査部門

 生化学検査

 患者様から採取された血液(血清)や尿、その他の体液などの化学成分を分析し、それぞれの項目の基準値と比較し病態の把握や経過観察に役立てています。
主な検査は以下の通りです。

    ● 肝機能検査

    総ビリルビン(T-Bil)、直接ビリルビン(D-Bil)、クンケル混濁試験(ZTT)、LDH(LD)、AST、ALT、γ-GTP(γ-GT)、コリンエステラーゼ(Ch-E)、ALP、LAP、アンモニア、ICG試験

    ● 膵機能検査

    アミラーゼ(AMY)、膵型アミラーゼ(P-AMY)

    ● 腎機能検査

    尿素窒素(BUN)、クレアチニン(Cre)、尿酸(UA)、シスタチンC、クレアチニンクリアランス(CCr)、β2ミクログロブリン

    ● 心臓関連検査

    CK、CK−MB、pro-BNP、トロポニンT、H-FABP

    ● 脂質関連検査

    総コレステロール(T-CHO)、中性脂肪(TG)、HDLコレステロール、LDLコレステロール

    ● タンパク関連検査

    総蛋白(TP)、アルブミン(ALB)、C反応性蛋白(CRP)

    ● 貧血検査

    血清鉄(Fe)、不飽和鉄結合能(UIBC)、フェリチン

    ● 体液電解質

    ナトリウム(Na)、カリウム(K)、クロール(Cl)、カルシウム(Ca)、無機リン(IP)、マグネシウム(Mg)

    ● 微量金属検査

    亜鉛(Zn)、銅(Cu)

    ● 糖尿病関連検査

    血糖(Glu)、ヘモグロビンA1c(HbA1c)、グリコアルブミン(GA)、インシュリン、Cペプチド

    ● 血中薬物検査

    ジゴキシン(強心剤)、テオフィリン(気管支拡張剤)、フェノバルビタール(抗てんかん剤)、フェニトイン(抗てんかん剤)、カルバマゼピン(抗てんかん剤)、バルプロ酸(抗てんかん剤)、バンコマイシン(抗菌薬)

    ● 腫瘍マーカー

    CEA、AFP、CA19-9、CA125、PSA、PSA F/T比

    ● 感染症検査

    HBs抗原、HBs抗体、HBe抗原、HBe抗体、HBc抗体、HCV抗体、HTLV-1抗体(ヒトT細胞白血病ウイルス抗体)、HIV抗体、RPR、TP抗体

    ● 免疫グロブリン・血清補体価検査

    IgG、IgA、IgM、IgE、C3、C4

    ● 甲状腺、その他ホルモン関連検査

    TSH、FT3、FT4、PTH、エストラジオール(E2)

    ● その他検査

    リウマチ因子(RF)、抗ストレプトリジンO抗体(ASO)、寒冷凝集反応、β-Dグルカン、エンドトキシン、プロカルシトニン、血液沈降速度

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 血液・凝固検査

 血液の中を流れている細胞(白血球、赤血球、血小板など)の数を検査することで、貧血や炎症程度の判断、出血傾向の判断などに用いられます。
 主な検査には、形態を器械や顕微鏡で見て、ウイルス感染や血液の病気(白血病など)の判断をする血算・血液像検査、止血機構の異常や血管内の血栓の有無の可能性を調べたりする、血液凝固、線溶検査があります。

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 輸血検査

 人の赤血球にはよく知られたABO式、Rh式の他に数百の血液型が存在し、輸血や妊娠の際にこれらの血液型に対する抗体を産生します。輸血前にこれらの抗体の有無を調べる不規則抗体スクリーニング検査や安全な輸血を受けられるよう、患者様と供血者の血液製剤が適合するか調べる交差適合試験を行い、安全な輸血を行う為に輸血用の血液製剤の適正な管理、供給を行っています。

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 一般検査

 尿、便、髄液、関節液、体腔液(胸水や腹水)などの検査を行っています。主な検査は以下の通りです。

    ● 尿検査

     尿の成分を分析することで、腎・尿路障害の有無や肝胆道障害の有無、糖尿病のスクリーニング検査や経過観察に用いられたりします。

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    ● 便検査

     便潜血反応や寄生虫・虫卵検査、便中のロタ・アデノ・ノロウイルスなどの抗原検査、CDチェック(Clostridium difficile抗原及び毒素検出)などを行っています。

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    ● イムノクロマト法検査

     イムノクロマト法は抗原抗体反応を利用した迅速検査法で、特別な装置を必要とせず、短時間で結果を知ることができます。

    ・主な検査項目は以下の通りです。

      インフルエンザ抗原、RSウイルス抗原、アデノ抗原、ヒトメタニューモウイルス抗原、尿中レジオネラ・肺炎球菌抗原、hCG、肺炎球菌抗原(中耳、副鼻腔)、A群ベータ溶血連鎖球菌抗原

    ● 関節液検査

     痛風の原因となる尿酸ナトリウム結晶や偽痛風に見られるピロリン酸カルシウム結晶の有無等を顕微鏡で観察し検査します。

    ● 体腔液検査

     胸腔内に貯留した胸水や腹腔内の腹水、心周囲の心囊液など体腔液中の細胞数算定、細胞分類、腫瘍マーカーなどを検査します。

    ● 髄液検査

     髄膜炎や脳炎等の診断や経過観察のため髄液を採取し、 細胞数算定、細胞分類、糖、蛋白などを検査します。

    ● 精液検査

     精液内の精子の状態を調べる検査です。1回の射精で得られる精液量、精子の運動率、奇形率などを調べます。


 微生物検査

 微生物検査では、感染症を起こした方の検査材料、例えば呼吸器症状では主に喀痰、上咽頭または咽頭拭い液など、泌尿器系の疾患であれば主に尿など、消化器系では主に便、そして全身症状では、血液というようにそれぞれを分離・増菌培養し、感染症を起こす原因菌(病原菌)を探し当ててどの抗菌薬が効くかを突き止める検査を行っています。

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 病原体遺伝子検査

 ヒトに感染症を引き起こす外来性の細菌やウイルスなどのDNAやRNAを抽出し、解析する検査です。臨床および研究の一環として遺伝子検査を実施しています。
 主な検査項目は以下の通りです。

  • LAMP法…M.pneumoniae(マイコプラズマ)
  • リアルタイムPCR…結核菌群、HSV(単純ヘルペスウイルス)、VZV(水痘・帯状ヘルペスウイルス)、CMV(サイトメガロウイルス)、EBV(EBウイルス) …etc
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☆生理検査部門

 心電図検査

 心臓の筋肉は全身に血液を循環させるために拡張と収縮を繰り返し、微弱な電流を発生させます。その電流を波形として記録し、病気の兆候を読み取るのが心電図検査です。心臓病の発見や診断、不整脈、病状の把握、治療効果の確認など様々なことに用いられる検査です。

    ◆所要時間
     長時間記録心電図を除き、通常の検査時間は約5分です。
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 負荷心電図検査

 運動をしていただき、脈拍が上昇した時の心電図の波形変化を見る検査です。労作に伴って起こる狭心症や不整脈の診断に有効です。負荷をかける度合いは年齢や性別、病気の程度により異なりますが、運動方法は主に次の2通りです。

  • マスター法
  •  安静にしている状態で心電図を記録し、その後2段の階段をリズムに合わせて昇降します。運動後1分、3分、5分後の心電図をとり、安静の状態での心電図と比較します。
  • トレッドミル法
  •  胸に電極を付けたまま、ランニングマシーンの上を歩き心電図を記録します。ランニングマシーンの速度と角度の調節により様々な負荷をかけることができます。

    ◆所要時間
     検査時間は約20〜30分掛かります。
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 ホルター心電図検査

 小型の装置を身につけ、日常生活中の心電図を記録し、これを解析して観察する検査です。日常生活で不整脈や心筋虚血が起きるかどうか、短時間の心電図検査や負荷心電図検査では診断がつかないため、長時間心電図を記録できるこの検査は診断や経過観察に有用な検査となっています。

    ◆所要時間
     記録装置の装着に要する時間は約10分です。
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 呼吸機能検査

 肺の容積や、空気を出し入れする換気機能のレベルを調べる検査です。
多くの検査項目がありますが、一般的に行なわれているのはスパイロメーターという計測器を用いる検査です。
以下のような項目(肺気量分画)について調べ、結果から肺機能を診断します。

  • 肺活量
  •  空気を胸いっぱいに吸い込んで、それをすべて吐き出したときに、どれだけ多くの空気を吐き出したかを調べます。
  • %肺活量
  •  年齢や性別から算出された予測肺活量(基準値)に対しての、実測肺活量の比率を調べます。
  • 努力性肺活量
  •  胸いっぱいに息を吸い込み、一気に吐き出した空気の量を調べます。
  • 1秒量
  •  努力性肺活量のうちの最初の1秒間に吐き出された空気の量を調べます。
  • 1秒率
  •  努力性肺活量に対する1秒量の比率を調べます。
  • 呼吸抵抗
  •  呼吸をするときの気道における空気の通りにくさを調べます。

    ◆所要時間
     検査時間は約10〜15分掛かります。
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 血圧脈波検査(ABI、CAVI)

 ABI・CAVI検査はあお向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。時間は5分程度で、血圧測定と同じ感覚でできる簡単な検査です。
動脈の硬さを表すのが「CAVI」です。動脈硬化症が進んでいるほど、「CAVI」の値は高くなり、脳動脈か心臓の動脈である冠動脈に動脈硬化症を発症している可能性が高くなることが知られています。
 足の動脈の詰まりを表すのが「ABI」です。足の動脈が詰まっていると、腕の血圧に比べて足首の血圧は低くなります。
「ABI」が低くなると動脈が詰まっている可能性が高く、その値が低いほど重症になります。

    ◆所要時間
     検査時間は装着時間を含め約5~10分で終了します。
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 皮膚灌流圧検査(SPP)

 SPP検査は末梢の血管(毛細血管)の血液の流れ具合を見る検査で、末梢動脈疾患(PAD)が疑われるときに行われる検査です。

    ◆所要時間
     検査時間は装着時間を含め約30〜40分掛かります。
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 超音波検査

 超音波は人間の耳には聞こえない高い周波数の音波で、一定方向に強く放射され直進性が高いという性質があります。これを利用して臓器に超音波を発信し、そこから返ってくるエコー(反射波)を受信し、コンピュータ処理後に画像化して診断するのが超音波検査(エコー検査)です。
 放射線被爆の心配がなく、検査を受ける人の苦痛もなく安全なため、産婦人科では胎児の診察にも用いられています。

    ◆所要時間
     検査内容により異なりますが、約10〜40分掛かります。
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    ● 腹部超音波検査

     腹部超音波検査(腹部エコー)では肝臓、胆嚢、腎臓、膵臓、膀胱、前立腺、子宮、卵巣など、様々な腹部の臓器が検査対象となっており、組織の組成によってそれぞれ基本的なパターンがあり、腫瘍、ポリープ、炎症、結石などは周囲の正常な組織と組成が異なるため、超音波画像では正常な組織との境界にコントラストが生じます。そのコントラストから、異常を見つけ出すことができます。腫瘍などの有無だけでなく、大きさやどれくらいの深さまで達しているかを調べることができ、また映し出される画像は臓器がリアルタイムで動いて見えるため、検査中に組織を採取したり、臓器の位置を確認しながら治療を行うときにも使われています。

    ● 心臓超音波検査

     心臓超音波検査(心エコー)は心房や心室の大きさ、壁の厚さや動きなどから、心肥大や心拡大、心筋梗塞とその範囲などが診断でき、また弁の形や動きから、心臓弁膜症とその程度を判定することができます。カラードップラー法で心臓の中の血流がわかれば、弁膜症によってどの程度逆流が起こっているかや、先天性の心臓病の診断にも用いられます。
    PW法やCW法などの方法で検査を行なえば心臓内の圧力を推測することができ、左室圧上昇や肺高血圧の診断になります。

    ● 甲状腺超音波検査

     甲状腺はホルモンを合成・分泌し、体の発達や代謝などを調節している臓器です。甲状腺の働きに異常が出ると、体の様々な部分に不調が生じてきます。甲状腺超音波検査(甲状腺エコー)は、甲状腺の異常を発見したり治療を行うために甲状腺の大きさを測ったり血流速度を測定したりして行っていきます。

    ● 血管超音波検査

     血管超音波検査(血管エコー)とは全身の動静脈を対象とし、血管の形態や機能、つまりなどを評価することができます。

    • 主な血管エコー検査
    • 頸動脈、腎動脈、下肢動脈、下肢静脈、透析シャント

 聴力検査

    ● 標準純音聴力検査

     聴力検査ではどれくらい小さな音まで聞こえるかを測定します。測定する方法によって様々な種類がありますが、聴力検査の中で最も基本的な検査がこの標準純音聴力検査になります。
    他の検査に言葉の聞き取り能力を調べるものや、脳波を使用した検査もあります。

    • 主な検査項目
    • 語音聴力検査、SISI、自記オージオメトリー
      ◆所要時間
       検査時間は約20~30分掛かります。
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    ● インピーダンスオージオメトリー

     外耳道を密閉し、一定の音を入れた時に鼓膜に反射して返ってきた音圧を測定します。鼓膜が厚いか可動性が不良であれば音は伝わりにくく、鼓膜から反射して戻って来る音圧は大きくなるため、インピーダンスは大きくなります。反対に鼓膜が薄いか耳小骨の離断があれば音が伝わりやすく、インピーダンスは小さくなります。

    • 主な検査項目
    • チンパノメトリー、耳小骨筋反射
      ◆所要時間
       検査時間は約10分掛かります。
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    ● 耳管機能検査

     気圧変動などによって鼓膜に掛かる圧力が変化すると、鼻腔と内耳をつなぐ耳管と呼ばれる管が開閉して中耳の内圧と外圧を等しくする働きをしています。飛行機に乗った時や車で峠に行った時など、耳がこもった感じになった時につばを飲み込むとスッと正常な状態に戻るのは、この圧力調節機能が働いているためです。この検査では耳管に異常がないかを調べます。

    • 主な検査項目
    • 音響耳管法、耳管鼓室気流動態法(TTAG)
      ◆所要時間
       検査時間は約20〜30分掛かります。
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    ● 耳音響放射

     耳の中から外側に向かってエコーが返ってくる現象を利用して、外有毛細胞の健康状態を調べる検査です。外有毛細胞は年齢とともに減少することが知られており、高齢者の難聴を調べる上で欠かせない検査となっています。

    • 主な検査項目
    • 歪成分耳音響放射(DPOAE)、従来誘発耳音響放射(EOAE)、自発耳音響放射(SOAE)
      ◆所要時間
       検査時間は約20〜30分掛かります。
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    ● 平衡機能検査

     三半規管や視覚などを調べて平衡機能が正しく働いているかを調べる検査で、めまいの原因や程度などを調べるために行われます。めまいは原因により中枢性と末梢性に分けられます。
     ・末梢性めまい メニエール病や突発性難聴など
     ・中枢性めまい 頭部外傷や脳出血、脳梗塞や脳腫瘍など

      ・主な検査項目
       温度眼振検査、眼運動振検査、指標追跡検査、電気眼振図
      ◆検査時の注意点
       検査ではめまいを誘発させるため、患者様によっては多少気持ち悪くなる場合がありますが、すぐに消失します。
      ◆所要時間
       検査時間は約30分掛かります。
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 神経生理検査

    ● 誘発筋電図

     体表から神経に電気刺激を与えることで神経の伝導速度を記録します。糖尿病や神経疾患などに有用な検査です。
     ・検査を施行する主な神経
      正中神経、尺骨神経、橈骨神経、腓骨神経、脛骨神経、腓腹神経

      ◆検査時の注意点
       検査時、個人差もありますが検査部位により電気刺激による痛みをかなり強く感じる場合があります。
      ◆所要時間
       病状の種類・検査部位により異なりますが、約20〜30分掛かります。
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    ● 聴性脳幹反応誘発検査

     感音性難聴であることがわかったときに、障害の場所を明らかにするためにも行われる検査です。また、新生児や高齢者など音が聞こえたかどうか返事をできない人にも行われます。

      ◆所要時間
       検査時間は約30~1時間掛かります。
      ☆使用機器
       Nicolet Viking Quest(ガデリウスメディカル)

    ● 脳波

     脳から常に出ている微弱な電波を頭部に付けた電極でとらえ、増幅して波形として記録するのが脳波検査です。けいれんを起こした時や意識障害がある時、てんかんが疑われるときなどに行われ、脳腫瘍などの診断にも用いられています。

      ◆所要時間
       通常の検査時間は約1時間ですが、患者様によって入眠・覚醒までの時間に違いが生じるため、検査時間が延長することがあります。
      ◆検査時の注意点
       頭皮にペースト状の電極糊を使用します。検査終了後に拭き取りますが、べたつきが残りますので帰宅後に洗髪をお願いします。
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    ● 持続血糖測定検査(CGM)

     患者様の腹部皮下に留置したセンサーにより、組織間質中のグルコース濃度を連続測定できる血糖測定システムです。3~5日間にわたる血糖値の日内変動などを解析し、24時間の血糖変動を把握することができるため、夜間の無自覚血糖や食後血糖上昇、朝方の血糖上昇などを正確に評価できるので、個々の患者様にあった治療に用いられています。

      ◆所要時間
       記録装置の装着に要する時間は約10分です。
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    ● 24時間自由行動下血圧測定検査(ABPM)

     ABPMは特殊な血圧測定装置を24時間身体に装着し、30分または1時間毎に血圧を測定することにより血圧の24時間の変動を知ることができます。

      ◆所要時間
       記録装置の装着に要する時間は約15分です。
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    ● 睡眠時呼吸障害検査

     10秒以上呼吸が止まってしまうことを「無呼吸」といい、睡眠時に、無呼吸が1時間に5回以上、または7時間の睡眠中に30回以上の無呼吸がある状態を、「睡眠時無呼吸症候群」といいます。主なの症状としては、日中の眠気、朝の頭痛や倦怠感、記憶・集中力の減退、夜間の頻尿、睡眠中の大きないびき、あえぎ呼吸・窒息感などがあります。
     睡眠時に無呼吸状態になると、十分な酸素を体に取り入れることができず、低酸素血症(いわゆる酸欠)になって心臓に大きな負担がかかります。放置しておくと、狭心症、不整脈、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞など命にかかわる病気を引き起こす恐れがありますので注意が必要です。
     この検査では睡眠中における鼻での呼気、口の呼吸(吸気)の流れ、いびきや気道を通る空気の音、酸素濃度を記録し、解析することによって、無呼吸や低酸素が睡眠中に起こっていないかどうかがわかります。

      ◆所要時間
       検査機器の取り扱い、装着方法の説明に約15分程度掛かります。検査機器の装着は患者様のご自宅で行っていただきます。
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    ● 尿素呼気試験法

     ピロリ菌は胃がんの危険因子であることが知られ、積極的な除菌治療が奨励されています。ピロリ菌が持つウレアーゼという酵素により、胃の中の尿素を分解し、アンモニアと二酸化炭素を生成します。ピロリ菌がいると二酸化炭素が多く発生することから、呼気中の13C-二酸化炭素における13Cの含有量を測定し、間接的に診断しています。

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    ● 血液ガス分析検査

     血液中の酸素や二酸化炭素、pHやHCO³⁻などの濃度や比率を分析する検査です。

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